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膨大な書類の作成が建築現場を追い詰める

2011.11.18

地震や事紋が起きるたびに基準法は、目まぐるしく改正され、官は天下りポストや利権を手にしていく。米国からの圧力を受け、二〇〇〇年には建物単体の基準である「仕様規定」を「性能規定」へ大改正した。具体的に建築材料を決めるのではなく、性能を示す方向へ転換。その結果、北米産の材木が大量に輸入され、三階建てのミニ戸建てが建てられるようになった。そして〇六年の建築確認の「厳格化」への改正で、建築業者には耐震構造とは無関係な仕様を含む膨大な書類の提出が課せられたのである。

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設計者はたまらない。徹夜作業の連続でも間に合わない。行政の審査窓口や民間確認検査機関は、何をどうチェックしていいかわからず、大混乱を来す。〇七年八月、九月の新築着工数は、前年同月比四〇%以上のマイナスを記録し、石油ショック以来の落ち込みとなった。偽装事件の第二幕、基準法改正による「官製不況」が到来した。GDPの一割を占める建設業の減退は、鉄鋼、セメント、木材から設備、運輸、家具、クルマなどへ波及する。帝国データバンクの調査では同年十月の建設業者の倒産件数は三〇〇件を突破。急激な着工減はGDPを四兆円(〇・八%)引き下げると予想された。しかも、確認の厳格化で「建物の安全性」が高まるのかというと、疑問符だらけだった。